比良・武奈ヶ岳・三舞谷ルート(廃道シリーズ)2017.9.30

比良・廃道シリーズ 三舞谷ルートを登る  2017年9月30日(土)曇り/晴れ

メンバー CL・エーちゃん K・Aさん K・Tさん

コース:タイム JR堅田駅8:50(バス)-葛川梅ノ木町10:00…第一渡渉点11:00…第二渡渉点11:45…

 850mガレ沢12:30…13:25ワサビ峠14:00…中峠14:27…金糞峠15:00…大山口15:47…イン谷16:10ー比良駅


バス停前から登り出す
バス停前から登り出す

 今回の山行は事前の下調べが出来なかった。と言うのも幾ら検索してもヒットしないのである。それ程こんな所誰も登らんわな~と言う位、荒れていたのだ。何故計画したかと言えば、元々峠は登れば反対側に降りるのにワサビ峠は反対側のルートが無いので探してみたくなったのだ。辛うじて古い地図にルートが載っていたが何処まで頼れるのか不安ではある。堅田駅のバスは臨時が出るくらい登山者が多い。殆どの人は武奈ヶ岳を目指すので坊村を過ぎると登山客は3人だけであった。梅ノ木のバス停は丁度ガソリンスタンドの前。河原から吹く爽やかな風が心地よい。さあ気合を入れて出発!所が登山口が分からず石楠花荘の女将さんに教えて頂く。奥のお寺の手前が、どうも登山口らしい。

古い鎖が下がっている(分り難い)
古い鎖が下がっている(分り難い)

辛うじて登山道らしき踏み跡(作業道かも?)から入山する。杉の植林帯だがかなりの急斜面だ。踏み跡が在る様な無い様な?370m辺りに古い炭焼き窯跡の石積みが残っている。450mを過ぎた辺りから苔生した岩がゴロゴロしている。もう少し進むと左方向にハッキリしたトラバース道が現れるが足元は大きく崩れている。眼下に沢を見ながら地図を頼りに三舞谷分岐点に降りて行く。第一渡渉点だ。手前に炭焼き窯の石積が此処にも残っている。右俣を渉り左俣との間の尾根を登って行くのだが一旦、本谷から離れ650m付近で沢方向へ大きくトラバースし崖っぷちをヘツル様に沢に降りると第二渡渉点だ。対岸上部に大きなブナの木?その根元に古い鎖がぶら下がっているが、そこを登る勇気はない。この沢筋には大小の滝が沢山あり綺麗な所であるが見とれている余裕が無い。おにぎりをお腹に入れ腰を上げる。未だ工程の半分なのだ。直登する勇気はないので左方向へトラバース気味に少し進む。何処まで登っても足元左側は沢まで一気に落ちていて一時も気の抜けないトラバースが続くのだ。780m付近、亀裂の様なガレ沢(幅3m位)が斜面を切り裂いている。一旦沢筋に降り進むと明るいガレ沢が現れる。急すぎて登れそうにないので右手の苔生して綺麗な斜面を登る。足元が滑り同行者は、かなり苦労している。上から見ると45度以上の急斜面で落ちたら、ひとたまりも無いだろう。

やっと登った所は又も左側が崩れ落ちたナイフリッジの様な細い尾根だった。その下に三本目の沢が現れる。その沢へ一旦降りる。見渡してみてもこの沢を登るしかないようだ。時折沢を吹き抜ける秋の風が心地よい。150m程ガレた沢を登る。足元には栗(芝栗?)が沢山落ちている。熊の餌になるのか?そう言えばトラバース中に熊の足跡が。浮石が多く一歩一歩確認しながら進んで行くと斜面が緩くなる。もう源頭部まで登ったみたいだ。ここに来て、やっとはっきりした登山道に出会う。沢を外れ右方向に進むと前方にトリカブトが群生している。青紫の花が風に揺られ心が癒される。もうそこに峠がありそうなので最後は尾根を直登すると少し左にワサビ峠の標が見えた。何と三時間半もかかってしまった。武奈ヶ岳まで行く予定だったが中峠~金糞峠~イン谷へ下山する事にする。沢筋の綺麗な風景を楽しみながら中峠からヨキトウゲ谷を金糞峠へ。急なガレ場を過ぎ青ガレまで来るとイン谷はもう直ぐである。三舞谷を登れた満足感(達成感)に浸りながら下山する足取りは皆、軽やかだった。