北ア・祖母谷~唐松岳~白馬岳~祖母谷 2014.8.12~16

北ア・祖母谷~唐松岳~不帰ノ嶮~白馬岳~祖母谷温泉 2014.8.12~16

ダイヤモンドトレール、リベンジ山行

メンバー CL エーちゃん 食坦 S・Tさん K・A女史

コース・タイム

8/12(火) 瀬田19:00―栗東IC=黒部IC―道の駅宇奈月23:30仮眠

8/13(水) 宇奈月==欅平…祖母谷温泉10:00…南越峠13:20…15:40

               餓鬼山避難小屋・泊

8/14(木) 小屋6:00…大黒銅山跡8:55…2330m10:25…唐松山荘12:15 …唐松岳12:30…不帰Ⅲ峰13:00…

    不帰Ⅱ南峰13:20…不帰Ⅰ峰14:42…最低鞍15:05…天狗ノ頭 16:50…天狗山荘17:15 テント泊

8/15(金) テン場5:35…鑓ヶ岳6:30…杓子岳7:12…白馬岳分岐8:10…(ルート迷い)清水岳10:40…

    不帰岳避難小屋12:40…一本目沢15:00…名剣沢…祖母谷温泉17:50 テント泊

8/16(土) 祖母谷温泉7:20…8:05欅平9:16==宇奈月11:00―黒部IC=栗東IC-自宅16:40


山行記録

去年お盆山行で祖母谷~白馬~天狗まで行きましたが熱中症の為、鑓温泉、猿倉へ下山。今年リベンジしょうと計画しましたが天候不順の予報、直前にコースを逆コースの唐松岳から登る事にして出発する。去年と同じ道の駅宇奈月で仮眠し翌朝を迎えました。昨夜はペルセウス座流星群が見える筈でしたが薄曇りの為、残念ながら見られませんでした。

餓鬼の田圃
餓鬼の田圃

8/13 3年連続のトロッコ電車で欅平着。観光客と一緒に歩き出す。今年は少し気温が低そうです。三つ目の長いトンネルを抜けると祖母谷温泉に着きます。橋を渡り温泉の主人に計画書を渡す。もう一度橋を戻った所が唐松岳登山口、気を引き締めてゆっくりと歩き出す10:00。2~3分でガレた河原の急な斜面に変わる。足元はコケが生え(ほとんど歩かれていないようです)マムシ、青大将、黒と茶色のバッタの大群。やっとの事で水場着11:50時間的に今日の行動は避難小屋までかと思い、水を満タンにして行く。四十八曲りを登りきり南越峠の筈が、道標もなく通り過ぎる。餓鬼の田圃までのトラバース道を(所々崩れている)注意しながら進むと樹林の隙間から田圃が顔を出す。こんな山の中で、本当に田圃の様です。

ここから避難小屋まで200mの登りです。かなりバテバテで、やっと登り着いた所が餓鬼山避難小屋15:40着。今日は睡眠不足でかなり疲れていたので、この静かな避難小屋(おまけに貸切)に泊まる事にする。まずはビールで乾杯!恒例のカツオのたたき、さんまのかば焼き、等々。夜は棒ラーメン、朝はオジヤの食事が始まる。勿論赤ワインや焼酎も…。明日に期待し、オヤスミです。

8/14 薄曇り6:00朝一餓鬼山まで300mのきつい登りです。上部には連続する梯子やロープがあり少し進むと、突然明るくなり左に20歩程行くと、頂上です2127m。正面に中背山その右手奥に白馬、鑓、キレット、唐松、五竜、鹿島槍、唐沢、V字の底には黒四、立山三山、剱、大日連山360°の展望です。これから、登った分だけ300mの急下降(途中ザレたナイフリッジの箇所あり)。前方の山1914mが高く見えて来ます。薄くナイフエッジの様な山容です。あれを登るのかと思うと少しげんなりです。しかし鞍部まで下りると、どうも道はゆるく右へ巻いている様です。

少し開けている所に出たと思ったら、そこが大黒銅山跡でした(テントサイトには最高)。そこを少し過ぎた所が水場への分岐です8:40。往復10分、大きな沢があり冷たい水をペットボトルに満たす。顔を洗うととても気持ち良かった!まだまだ先は長いので前進です。少しで木道に出る。ここから馬鹿下りの登り(800m)が始まります(馬鹿登り?)。ゆっくりと登り出し、九十九折れを進むと前方右手に黒く聳えるピラミダルな五竜岳、その右に鹿島槍の双耳峰。裏側から初めて見る山容は全く違う。後方には、天を突き刺す剱岳、立山三山には沢山残雪があるが上部はガスがかかっている。急登を登りきると2330m付近10:25。不意に前方が広がり眼前に唐松山荘が飛び込んで来る。(でもまだかなり遠い)

後一時間くらいか?急にテンションが高くなる。が此処からの長い事長いこと。高度差300mの長いガレた登山道を喘ぎながら登って行く。最後テン場の登りが一番疲れた。予想より時間がかかり12:00山荘着。よく此処まで来たものだ。中で水と、ピンバッチ(600円ちょっと高い)を買う。風が強くなりガスも巻いて来る。低体温症になりそうなので、すぐに出発12:15。唐松岳はガスの中。不帰剣のピークだけが顔を出している。まるで僕たちが行くのを遮るように連なっている。その途切れ途切れの稜線へ足を踏み出す。

疲れが出て来ているので緊張して来るが、しばらく進むと、S・Tさんが幸運の鳥という雷鳥の親子が散歩している。S・Tさんによれば良い事があるそうです。不帰Ⅲ峰を過ぎⅡ峰南峰へ登り返すと北峰13:30着。これからが核心部。少し休憩の後、最初の一歩を出す。鎖を手に取ると、下はもう奈落の底。ぐるっと回り込み確実に一歩ずつ進んで行く。下の見えない岩稜のトラバース、錆びた長い鎖場、下の見える鉄橋、ボルトを打ち込んである所、等を越えⅠ峰に着くと14:42やっと一安心。ちょっと一服。

しかし風が強くなりガスに湿気が多く含まれる様になって来る。最低鞍部を過ぎると天狗の大下り(大登り?)を300m登る。上部には鎖場が二箇所。疲れ果てた体を鞭打ち喘ぎ喘ぎ登る事1時間45分天狗の頭に到着です。前方からの強風の中、天狗山荘へ急ぐ。ガスで見通しが悪く、小さな岩が大きな山に見える。何度も間違えやっと見覚えのある山荘に着く17:15。去年は反対からでしたが此処まで。早々にテントを張り、楽しみにしていた生ビールで乾杯!おでんを酒の肴に無事ここまで歩いた喜びに(11時間15分の行動)安堵しました。長い一日でした。夜になると風が強くなり何度もテントを揺らしましたが、朝には少し止んだようです。

8/15 曇のち暴風雨 モルゲンロートに染まるその奥の漆黒の中にキラリと一粒のダイヤモンドの様に煌めく明けの明星。(だからダイヤモンドトレール?)な訳無いか。熱いモーニング珈琲を点て雲海が染まるさまに、しばし時を忘れる。今日の行動は長いので(予定では白馬岳~旭岳~清水岳~不帰岳避難小屋~祖母谷温泉)5:35出発。稜線に出ると、かなり風がきつい!左手後方には黒い雲が出ているが、剱岳から大日三山、遠く富山市内から日本海が朝日に光っている。これが疑似好天なのか?杓子岳を越えると、瞬間的には20~25mの横風に体がよろめく。もう下界は何も見えない。白馬岳分岐8:10。

旭岳方面へ方向転換。ゆるく下って行くと、ガスの中から去年より多く残っている雪渓が大きく口を開けている。向こうが見えないが、薄くベニガラの跡を頼りに進む。途中でベニガラを見失い(この時コンパスで確認すれば良かった)40分程行ったり来たり最初の場所へ戻り、地図とコンパスで方向確認。片手で確認しながら進むと登山道に出る。(基本が大事です)突然雨が降り出し、暴風雨になる。これから清水岳までが長い長い。おまけに強風地帯に突入。登山道は沢と化し、前方からの暴風雨が体を痛めつける。ゴーゴーとまるで楽しんでいるかのようだ。這松と低い灌木が進む道を覆い、おまけにメガネが曇り見にくくなる。右側の谷筋には残雪がたくさん見える。(去年は全くなかった)やっと見覚えのある清水岳に到着10:40。前方の窪地で小休止。体に温かいものを流し込む。ここから不帰岳避難小屋まで600m下る。何と百貫登りを下っている!途中には、トウヤクリンドウ、ハクサンフウロ、ニッコウキスゲ、イブキトラノオ、トリカブト等、高山植物が咲き乱れていたのですが、風雨の為ゆっくり見る事もなく、ただ々下り続ける。

少しなだらかになって来ると不帰岳避難小屋に到着12:16です。中にはもちろん誰もいません。水分補給と、お腹に少し食料を入れ(何時もあんころ餅ですが)先を急ぐ12:40。鎖場まで5分。10m程の下りですが、雨でズルズルになっている。ロープを頼りに一人ずつ注意して下りる。雨でぬかるんだ登山道をゆっくり下っているのに何故か上りが多く感じるのは、かなり疲れているせいか?1681mから大きく下ると(300m)一本目の沢が見え、渡った所に3人組の登山者がいる。増水していないよう祈りながら沢到着15:00。水量も多くなく渡渉する。あと2本の沢を渡渉すれば(実は3本あった)温泉のある祖母谷まで、あと少しです。この後道が細く谷側に傾き、ほとんどが足を置く所位しかなくぬかるんで滑りやすくなっているので(所々にロープあり)注意しながら一歩づつ、ゆっくりゆっくり足を進める。もう足も限界に近く、つま先が痛い。避難小屋で靴紐を結び直すべきだった。

4本目の沢を渡渉した所で、前のグループに追いつく。声をかけるが、どうも通じないようです。後で聞くと台湾から来たそうです。300mを急下降すると、やっと名剣沢に出る最後のロープのあるところに着き、ゆっくり下りると、やっと登山口のある(去年は此処から登った)林道に出ました。雨は少し小降りになったようです。後は温泉へ突入ですが、もう足が痛くユックリしか進めません。おまけにザックから身体までズブ濡れです。祖母谷温泉着17:50。何と?この悪天候の中12時間15分も行動していました。どーもお疲れ様!もう当分の間、山へ行きたくないと思ったのは僕だけではありませんでした。身体はヘロヘロでしたが、缶ビールでカンパーイ!少し雨が止んだので、テントを張り露天風呂へ直行!ちょうど良い位の湯温で気持ちいい!もう最高!夕食は、最後の棒ラーメン、朝食は、おじや。ワイン、焼酎、おつまみ、寝る前にもう一度温泉に浸かり、11時にオヤスミです。台湾チームは未だ喋っている。

祖母谷温泉
祖母谷温泉

8/16 朝には雨が止んでいましたが、又いつ降り出すか分りません。一番風呂に入り朝食。珈琲を点て、ゆっくり出発7:20。途中トンネルを抜けた所で雨が降り出し、かなり強くなって来る。雨に煙る名剣温泉が見えてくると、この長かった(かなりハードな)山旅の終わりです。8:05欅平着。9:16発のトロッコに乗り岐路に着きます。二年連続でこのダイヤモンドトレールをどちらからも登ったと言う満足感に浸っています。後で聞いた話ですが、祖母谷温泉のご主人が、二年連続でどちらも登ったのは、かなり変わり者だと言っておられたそうです。リベンジ山行も去年と同じメンバーで行けた事にとても感動しています。体はまだまだ回復していませんが、もう来年の山行を考えています。地蔵尾根から仙塩尾根縦走か?

                 やつぱり山はええな~