上越国境稜線・茂倉岳~朝日岳~笠ヶ岳~白毛門

笠ヶ岳からの一ノ倉沢
笠ヶ岳からの一ノ倉沢

 山行報告

上越国境稜線・茂倉岳~朝日岳~笠ケ岳~白毛門

2011.10.7(金)夜~10(月)

メンバー エーちゃん S・Tさん K・Aさん M・Mさん

10/7 栗東IC20:25=水上IC=土合3:00 テント泊

10/8 JR土合駅8:34⇒土樽駅8:42…矢場の頭12:25…茂倉岳避難小屋14:20 泊

10/9 避難小屋5:10…茂倉岳5:30…武能岳7:45…蓬峠8:45…清水峠(水補給)

   11:25…朝日岳14:10…笠ケ岳手前の鞍部15:30 テント泊

10/10 鞍部6:15…笠ケ岳6:30…白毛門7:45コーヒータイム…土合橋11:20ー

   谷川温泉―大津21:00―各自宅


茂倉岳避難小屋
茂倉岳避難小屋

 468段の地底へ続く薄暗い階段を下りて行くと、思い出すのは新田次郎の小説「雪の炎」だっただろうか?土樽から吾策新道~万太郎山(一昨年歩いた)~大障子避難小屋~谷川岳~土合が舞台だった様なそんな事を思い出しながら下りて行くと、貨物列車がゴ―という音と共に過ぎて行く。暫くすると薄暗いホームが見えてくる。時間が止まったような不思議な気がして来るのは、あの小説のせいだろうか。目の前のホームに、多旗絢子が、華村敏夫がいる様な気がしてくる。オレンジ色の電車のライトがだんだんと大きくなり電車が入って来てドアが開く、一歩乗り込むとそこには現実の世界が戻ってくる。学生や新聞を広げたサラリーマンや、目を瞑っている人達、暫らくしてトンネルから出ると直ぐ土樽駅である。小さな駅舎で写真を撮り歩き出す。夏の名残の感がする登山道、紅葉は未だのよう。睡眠不足の体を上へ上へと引っ張って行く、木の根っこの多い急登を、どんどん進むと矢場の頭に着き、上部を望むと紅葉と熊笹の緑が逆光を浴び美しく輝いている。足が動かなくなった頃、避難小屋に到着。早速ビールで乾杯、おつまみを出しワインを飲み始めると夕食のいい香りがしてきます。今夜はキムチ鍋、豚肉たっぷりで具沢山!!さすがに女子部の食担は凄い!!ウィスキー焼酎と進むと明日のため早いオヤスミタイム。

武能岳
武能岳

 翌朝目覚めると外は満天の星空、オリオン座、ふたご座、カシオペア、大熊座、北方に目を移すと越後湯沢の街明かりが輝いて、天気は最高のようです。ヘットライトを点け茂倉岳へ、東の空が赤紫色からオレンジ色へと変わって行く様は素晴らしい。一昨年歩いた、平標~仙ノ倉~万太郎~谷川岳が暗紫色に浮かんでいる。又、今日歩く馬蹄形国境稜線のスカイラインが朝焼けの奥へと続いている。少し下ると右手の稜線から太陽が顔を出す。その朝日を浴びて紅葉が燃えている様は胸のすく思いがする。アップダウンを繰り返し登りついた所が武能岳、そこから50分程で蓬ヒュッテへ、新田次郎の小説では黄色だったような?今は灰色の目立たない色になっている。ビール600円を2本仕入れ、サンキストレモン400円を買って少しぬかるんだ道を登り始めると、前方に上越のマッターホルンと言われている大源太山が見えて来る。七ッ小屋山まで来ると、全山紅葉の大源太がまるで槍ヶ岳。そこから下って行くと水場のある清水峠に到着する。前方に小さな避難小屋がある。此処から朝日岳まで500mの急登が本日のメインイベント。

 

朝日岳へ続く紅葉のトレール
朝日岳へ続く紅葉のトレール

紅葉に染まる登山道、落葉樹のトンネルを抜け、喘ぎながら一歩づつゆっくりと進む事3時間、やっと緩やかな山頂部に到着。緩やかに歩を進めると左前方に小湿原が広がっているのが見える。その奥に朝日岳の道標が見えている。少し風が強くなりだし天気も下り坂模様。それでも此処までくれば後はルンルン気分の下り坂で避難小屋へ到着する筈だったのですが、前方に見える山容はガスに煙るナイフエッジがまるで西穂高の感じの山容である。一瞬怯んでしまったが此処までくれば行くしかないと足を進めるが、左からの強風とガスに薄暗くなった足元の悪い切り立った道をアップダウンを繰り返し、最後の力を振り絞り、やっと笠ケ岳手前の鞍部に到着する。頭の中が全部ビールになってしまったのは私だけではありません?テントを張る前に乾杯!!今夜の食事は、みそ仕立ての豚肉たっぷり鍋、温まったのは言うまでもありません。食後は、ワイン、ウィスキー、焼酎、と盛り上がり全てのアルコールが空になりました。

 外は風がゴーゴーと音を立てテントのポールがひしゃげる程でしたが朝には風が止み東の空が少しオレンジ色に染まりましたが、日の出は望めませんでした。朝食は元気の出る“おじや”で最後の食事を済まし、テントをたたみいざ出発!。笠ケ岳の避難小屋を過ぎ頂上に着くと、正面に朝もやに煙る谷川岳一ノ倉沢がそそり立っています。此処から1200m急下降、下を見ると一面が紅葉の絨毯のようです。

谷川岳・一ノ倉沢
谷川岳・一ノ倉沢

白毛門に着くと一ノ倉沢が一段と大きく聳え朝日を浴び陰影を付けごつごつとしている。ここで、ゆっくりとコーヒータイムと行きましょう。遠くには富士山が浮かび上がり、後方には至仏山も望むことが出来ました。下り方向に足を踏み出すと岩稜帯の急下降、鎖、ロープあり後ろ向きに下る所が多数あり、足の届かない所も(足が短いのかも)色取り取りに着飾った木々のトンネルをくぐり新緑のような林になると、やっと土合の登山口の道標が見え、いよいよこの山行の終わりです。重い登山靴を脱ぎ、履き替えると足が浮いているようです。さあ谷川温泉、湯テルメ谷川へ直行。広い露天風呂のある湯船に浸かると長い山行の疲れがスーッと取れていくようです。(後日テレビで、この温泉が出ていました)女性陣が来るまでの間に、待ちきれず、STさんと”フリー”でお先に乾杯!してしまいました。

途中のレストランで“かつ丼”を食べ(来年の山行計画を立てたのは言うまでもありません)目の前の造り酒屋で大吟醸“谷川岳“を仕入、一路、関越道を大津へ、途中自宅に電話すると、下の娘に男の子が生まれたとの事、今年一度に孫が二人もできました。(本当は15日頃生まれる予定だったはずなのに)これで2年越し、平標山~仙ノ倉山~万太郎山~谷川岳~茂倉岳~武能岳~朝日岳~笠ケ岳~白毛門の上越国境稜線を歩く事が出来ました。一緒に山行をしてくださいました、STさん、KAさん、MMさん、有難うございました。また来年も一緒に、楽しい山行是非しましょう。

最後に “やっぱり山はええなぁ~”