比良の廃道を歩く ホッケ山~ホッケ谷  2017.11.11

比良・廃道シリーズ ホッケ谷 2017年11月11日(土)曇り/時雨/はれ

坂下~サカ谷道~小女郎ヶ池~ホッケ谷   メンバー CL・エーちゃん K・Aさん

ルート:タイム JR堅田駅8:50ーバスー坂下9:45…渡渉点…小ピーク…11:50小女郎ヶ池12:22…ホッケ山12:45…尾根分岐12:55…ホッケ谷分岐13:25…13:45階段状の石積下13:55…谷取付点14:20…JR蓬莱駅15:15


ホッケ山にて
ホッケ山にて

  坂下で下車した登山者は二人だけ。ドアが閉まると空になったバスは淋しそうに走り出していった。廃屋前のバス停から見上げる山肌には紅葉が残っている。少し旧道を戻り川沿いを左道へ進み橋を渡ると登山道の標がある。前日の雨で少し、ぬかるんだ沢沿いの道を進み堰堤をいくつか越えると渡渉点がある。890m小ピークまで急騰が続く。西方向の白倉岳方面は雲に覆われ雨が降っている様だ。時折ゴーッと強風が雨とともに吹付けてくる。木々の葉は二度の台風で、かなり落ちているが彼方此方で未だ彩りを見せてくれている。964mピークをトラバースすると少し下り気味に進み前方の薄暗い植林帯へと入って行く。思ったより急登だがあっという間に抜け出てしまう。遮るものも無く強風が容赦なく体温を奪ってゆく。倒木の多い登山道だが静かなルートだ。二時間程で小女郎ヶ池に着く。

展望台?から小女郎ヶ池
展望台?から小女郎ヶ池

坊村側からの小女郎ヶ池は初めてなので、ぐるっと一周する。登山者は誰もいない。風を避けられる何時もの場所で一本立てる。前方に数人の登山者がやって来る。権現からの人達だろうか?池を見るとすぐに戻って行った。今日出会った唯一の登山者だった。気温は2∼3度位だろうか?指先が冷たくなって来たので腰を上げる。流石に小女郎峠は風の通り道だ。容赦なく吹き付ける。何度も来ているので止る事無く先へ。琵琶湖を望みながらホッケ山を目指す。もう雪も近そうな感じの空模様である。この稜線は景色が良く、のんびり歩きたいルートでもある。ホッケ山は冬には大きな雪庇が張り出す位だから風がやはりきつい。積雪期に又、訪れたいと思う。100m程下ると権現山分岐に着く。

石積み上部、落ち葉の絨毯
石積み上部、落ち葉の絨毯

丁度、尾根が直角に折れる所を南東方向に少し進むとハッキリとした古道が現れる。九十九折れの古道には(先週の深谷もそうだったが)10月の台風の影響で倒木が多い。735mピーク手前の鞍部にホッケ谷の分岐がある。尾根を離れUターンする様に大きく回り込みながら下って行く。初めは分り易いが途中からルートファイディングが必要になる。階段状の石積み上部に着く。思わず”メッチャ綺麗やー”と声が出る。カラフルな落ち葉の絨毯が足元から広がっている。紅葉は枝から落ちても尚、楽しませてくれる。ガサガサと落ち葉を踏む足音が心地よい。ゆっくりと、この景色を満喫しながら進んでいく。この下りは右側を下りるのが安全である。真ん中の水路の様な所は滑り易くお勧めできない。

階段状の石積み
階段状の石積み

谷の底部に着くと三段ほどの小さな滝がある。沢筋の右手側を下って行くが藪・倒木・ガレ多く注意し、沢の中を歩く様になると途中で一度渡渉する。左側急斜面に植林された杉林の末端付近をトラバース気味に(ルートは分り難い)進んで行く。最後、古い林道の小橋に降りる筈だったが25m程下の林道に飛び出してしまった。林道を暫く進み大きな堰堤を潜ると、もう下山口は近い。植林の中を適当に進むがどうも右へ来過ぎた様で貯水タンクから50m程ずれていた。このホッケ谷、ルート表示や赤テープ類も無く距離は短いが比良の中では結構楽しめる廃道ではないかと思う。蓬莱駅までの途中琵琶湖に大きな虹が出ていた。まるでこの山行を祝ってくれている様だった。