古道廃道シリーズ シャクシコバノ頭・直登ルートを行く 2019.5.4

坊村~シャクシコバ直登~小川新道~大橋~荒川峠   2019年5月4日(土)晴れ

メンバー CL エーちゃん Y・O さん N・Y さん S・T さん

コース:タイム 

 坊村9:40…シャクシコバ出合10:16…道標10:45…朽ちた杉大木11:30…950m11:42…12:27シャクシコバの頭

 13:00…小川ケルン13:30…大橋13:45…荒川峠出合14:05…荒川峠14:50…中谷出合15:52…JR志賀駅16:30


シャクシコバノ頭から額縁の様な武奈ヶ岳が見える
シャクシコバノ頭から額縁の様な武奈ヶ岳が見える

 これぞ五月晴れ!青く澄み渡った空が気持ちよく”春爛漫”な一日になりそうだ。今日のルートは中々マニアックなコース取りで期待にテンションが上がる!JR堅田駅前のバス停には長い行列が出来ている。助手席を使うほど混んでいるが殆んど平で下車。権現から蓬莱へ行くのだろう?坊村では8人だけだった。朝一から外人さんの登山者に道案内をしてあげて歩き出す。沢沿いの林道には新緑の木々が風に揺れ綺麗に光っている。三ノ滝を過ぎ小橋を渡ると正面にシャクシコバノ頭出合がある。この先、今日一番の核心部!かなりの急登を覚悟しなければならない。少しで緑色の小屋が

新緑が光に揺れている
新緑が光に揺れている

見える。「シラクラヒュッテ」と書いてある。こんな急斜面に何の為に建てたのか?不思議である。その先に熊捕獲用の檻がある。590m付近の鞍部に古い道標がある。口ノ深谷へのルートだろう。大きな木に寄りかかり朽ちている大木で一本立てる。何と言っても700m余りの急登が続く比良山系屈指の一本尾根だ!まだまだ先は長い。気合を入れ腰を上げる。幹回り8m位ありそうな杉の古木を過ぎ、なお登ると朽ちた大杉が、まるでオブジェの様に天空を指さしている。偽ピークを過ぎると傾斜が緩くなり堂満岳や摺鉢山、その奥に蓬莱山が眼前に見えて来る。

眼下に堂満岳と琵琶湖を望む
眼下に堂満岳と琵琶湖を望む

この方向からは余り見る事が無いので新鮮だ。尾根が細くなると一面にイワカガミが群生している。未だ花は少し早いが一雨来れば一帯が”花の楽園”になること間違いなしだ!急登の尾根を登りきるとシャクシコバノ頭に到着。眼前に琵琶湖の景色が飛び込んで来る。北方向には額縁の様な武奈ヶ岳が素晴らしい!いい場所である。ゆっくり珈琲タイムを取る。此処で今日初めて単独行の登山者に会う。西宮から武奈ヶ岳に行くらしい。この先が第二の核心部だ。小川新道の始まりは緩やかに1050m辺りまで下る。そこから900mまでの細い急斜面の尾根が去年の台風で倒木だらけ!ルートが寸断されている。昭文社の地図では実践になっているが初心者は絶対足を踏み入れてはならない塾達者のみの世界である。小川ケルンから右手の沢筋を下るのだが此処もかなり荒れていてルートファインディングが必要だ。下部が

荒川峠から琵琶湖を望む
荒川峠から琵琶湖を望む

見えて来ると右尾根にルートを取る。程なく大橋に降り立つ。綺麗な沢に丸太橋がかかっているが少し傾いてる。何度か渡渉し南比良峠方向へ進む。広い沢筋を進むと右手に倒木で塞がれた大きな谷筋がある。此処が第三の核心部。荒川峠出合である。何度か小沢を渡渉すると朽ちた小屋跡に古い洗濯機や発電機が半分埋もれている。大岩の間を抜けると、前回メェーめぇ~と聞こえた小屋が見える。ドアには真新しい”ウェルカム”と書いた札が掛っているが誰か来るのだろうか?不思議な感じだ!朽ちた大木にはサルノコシカケが・・。程なく左が開け谷筋が見えるが入ってはいけない。何本も掘られた古道状の道が続くが、真っ直ぐ進むと見覚えのある荒川峠に飛び出す!朝方より琵琶湖が綺麗に見えている。中々マニアックな山行もあと僅かで終わる。心地よい余韻に浸りながら眼前の風景を眺めていた。