比良・武奈ヶ岳・細川尾根を登る 2017.10.8

比良の古道廃道シリーズ・武奈ヶ岳 細川尾根~武奈ヶ岳~コヤマノ岳

メンバー CL.エーちゃん A・Kさん

ルート・タイム  JR堅田駅8:50(バス)--細川10:00…尾根末端10:35…苔生した大岩800m11:15…1100m

   11:05…稜線分岐12:15…12:25武奈ヶ岳12:55…コヤマノ岳13:15…中峠13:37…14:20金糞峠14:40…イン谷15:55


 カーテンを開け窓から外を見ると一面が白い霧に覆われていた。今日は優勢な高気圧に覆われ晴れる予報だったのに気分は少しダウン気味。でも霧の日は晴れると言うから期待して家を出る。堅田駅からのバスも、やはり霧の中を走って行くが花折トンネルを抜けると鯖街道から見上げる空は青く澄んでいた。一気にテンションが上がる。車窓から見る風景も心なしか軽やかだ。殆どの登山者は坊村で下車するが終点の細川で降りたのは4人だった。準備をしながら聞くと大阪岳連所属の二人組だった。武奈ヶ岳まで細川尾根を登る同じルートらしいので一緒に行動する事になった。バス停から少し戻り気味に左手集落裏の舗装路が登山道の様だ。植林帯に入ると直ぐにベンチのある登山口に着く。

植林帯の奥に登山口がある
植林帯の奥に登山口がある

この辺り数十年前まで綺麗な棚田が整備されていた様で古い石積みが沢山残っている。減反政策の為か?今は見る影も無く杉が植林されている。私が先頭で岳連のwさん。後ろに女性二人で歩き出す。最初は棚田を直登気味に進み350m~450mまでは右の沢筋方向に登って行く。左方向直角に折れ倒木の多いハッキリした登山道を進むと遠くから声が聞こえる。沢登の人がいるのかと言いながら少し進み後ろを確認すると、女性二人の姿が無い!お~い!と、遠くで聞こえる声が二人らしい?100m程戻ると先程の直角に折れる所で先行者を見失い真直ぐ沢方向に進んだらしい。先行リーダーの確認不足等の反省と後続者にも注意を促す。

釣瓶岳から蛇谷ヶ峰
釣瓶岳から蛇谷ヶ峰

 520mで尾根上に出る。此処からは一本道の筈だ。650m辺りで少し傾斜が緩くなるとブナ林が広がっている。紅葉には少し早いが気持ちの良い所だ。706ピークを過ぎると正面に急斜面が近づいて来る。気合を入れ急登に取り掛かる。大岩で一本立てる。この先足元の悪い急登がまだまだ続く。足元には実を取りつくされた栗のイガが落ちている。まるで絨毯を敷き詰めたようだ。しかし先頭は蜘蛛の巣との戦いが、ずっと続いている。植林を過ぎ1050mまで登ると右手に西南陵が見えて来る。左方向には釣瓶岳から蛇谷ヶ峰まで眼下に望める。見下ろす山肌は少し紅葉が始まっている様だ。低くなった灌木帯を過ぎると前方が開け慰霊の低いケルンがある縦走路に飛び出す。此処で岳連の方達と別れる事になる。武奈ヶ岳頂上は御殿山からの登山者達でごった返しているので手前の小ピークで珈琲タイムを取る。

武奈ヶ岳からシャクシコバノ頭・烏谷山・蓬莱山を望む
武奈ヶ岳からシャクシコバノ頭・烏谷山・蓬莱山を望む

 赤トンボが気持ちよく飛んでいる。先程まで琵琶湖が見えていたが雲が低く立ち込めはじめ肌寒くなって来たので腰を上げる。先週は立てなかった武奈ヶ岳に立つと何処からか視線を感じる。その方向に目をやると一人の男性が、こちらを見ている。近づくと堅田駅前のバス停で地図を広げルート確認をされていて几帳面な人だなと感じた人だった。坊村からイン谷へ行くらしい。少しお話をして別れる。今日のルートは小川新道から深谷へ下山の予定だったが同行者の事を考え金糞峠からイン谷へ下山する事にする。コヤマノ岳で元気なおじさんが店を広げている。南尾根を下山の予定だったが通行止めにされていた。仕方なく中峠へ行く。そこからは先週と同じルートだ。ヨキトウゲ谷は沢筋の綺麗な登山道だが豪雨の後ルートが度々変わり流木や倒木などで分り難い場所がある。

 金糞峠で休憩していると先程のMさんだった。イン谷まで一緒に行動する事にして下山する。正面谷と青ガレは岩がゴロゴロしていて特に下山には注意が必要だ。青ガレ下部は滝方向(右)に降りて行く。滝下を渡渉すると後はイン谷まで危険な場所は無く4時発のバスでJR比良駅までバスに揺られる。バスは細川尾根で同行した大阪岳連の二人組も一緒だった。湖西線山科駅まで京都から来られたMさんと一緒だった。今回の山行では色々な人達との出会いがあり心満たされた山旅だった。